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NPO法人 福岡排泄改善委員会
理事長 武井 実根雄 |
当法人は「排泄ケアを通じて高齢者の生活の質を高め、介護者の負担を軽減すること」を目的に活動を続けてまいりました。私は2022年より三代目の理事長を務めております。2025年8月には、従来の「特定非営利活動法人 福岡高齢者排泄改善委員会」から「NPO法人 福岡排泄改善委員会」へと名称を改め、これまで培ってきた基盤を大切にしながら、より幅広い活動を展開していく決意を新たにしています。
設立の経緯
本委員会の設立は2003年にさかのぼります。初代理事長の宮﨑良春先生は、高齢者医療の中で排泄がしばしば軽視されている現実に強い問題意識を抱かれていました。日本老年泌尿器科学会での「排尿権は基本的人権である」という発表に触れたことが大きな契機となり、帰福の途上で「福岡でも排泄ケアを改善する組織を立ち上げよう」と構想を語られました。私はその情熱に触れ、以前から温めていた思いもあり共に活動を始めることになりました。
まず福岡市内の高齢者施設・訪問看護対象者3511人を対象に排尿の実態調査を行い、オムツ使用が半数を超える一方で、ADLや認知機能から判断すると改善が期待できる方が少なくないことを示しました。泌尿器科専門医が関与する意義を数字で裏づけたこの調査を基盤に、任意団体として発足いたしました。
活動の歩み
以来、私たちは年4回の排泄ケア講習会を通じて医療介護従事者の排尿、排便管理の底上げに力を注ぎ、年1回の市民公開講座では排泄の問題や解決方法を一般市民の方々に啓発してまいりました。これらの取り組みにより2014年に「ふくおか医療活動功労賞」を受賞するなど、社会的な評価をいただくこともできました。これらの活動は、行政や企業、そして介護・医療現場の多くの方々からの支えがあってこそ続けられたものと心から感謝しております。
今後の展望
コロナ禍では活動が制限されましたが、現在は集合形式とWebを組み合わせた形で再開し、交流の機会も徐々に戻ってきています。高齢化と少子化が同時に進むわが国において、排泄ケアは今後ますます重要な課題になると考えています。ICTの活用や全国の関連団体との連携を進めながら、排泄に悩むご高齢の方はもちろん、年齢を問わず排泄に課題を抱える方々に寄り添える活動を続けて参る所存です。これからも皆さまのご理解とご協力を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
2025年8月吉日
【略歴】
1957年 北九州市小倉北区生まれ
1975年 福岡県立小倉高等学校卒業
1981年 徳島大学医学部卒業、九州大学泌尿器科入局
1983年 九州厚生年金病院泌尿器科
1984年 国立別府病院泌尿器科
1985年 九州大学泌尿器科
1991年 原三信病院泌尿器科
1999年 同部長
2018年 原三信病院理事 |
【所属学会】
日本泌尿器科学会専門医・指導医
日本排尿機能学会理事・専門医
日本性機能学会理事・専門医
日本女性骨盤底医学会理事
日本骨盤臓器脱手術学会理事
日本間質性膀胱炎研究会幹事
夜間頻尿を考える会代表世話人
福岡排尿障害研究会代表世話人 |