近年高齢社会の進行にともない高齢者の寝たきり、痴呆の問題に加えて排泄の問題がクローズアップされるようになってきております。高齢者介護の現場で、本人と介護者双方にとって排泄管理が最大の問題である場合は少なくありません。
しかし、主治医意見書などにも排泄関係の項目は少なく、実際の現場において専門医がかかわることは極めて稀であり、本来は必要でないオムツや留置カテーテルが安易に 使用され、「寝たきり」や「寝かせきり」を増加させる要因となっています。一方、高齢者の尿失禁患者数は600万人ともいわれ、高齢社会の進行に伴い毎年10万人ずつ増加するとの推計もあります。
このような高齢者の排泄状態を改善に導くことで生活の質の向上を図ることを目的に平成15年8月に任意団体として福岡高齢者排泄改善委員会を発足いたしました。
福岡において平成15年に市内51施設を利用する約3500人の実態調査を実施したところ、オムツ使用者が特養施設で55.3%、老健施設で64.2%、訪問看護を受ける在宅者で36.3%ありました。特に在宅では痴呆もなく介護度が軽いにもかかわらずオムツをしている人が1割いることがわかりました。以上の調査を踏まえて、オムツ使用者の2割は適切な対処によりオムツをはずすことができると予想され、そのための知識の普及が必要と考えられます。啓発活動として、これまで介護スタッフを対象に15回の高齢者排泄ケア講習会と、一般市民の方を対象に4回の市民公開講座を開催して参りました。
このような現状を踏まえて、私たち「特定非営利法人福岡高齢者排泄改善委員会」は、医療従事者と行政との連携による経験と知識を生かし、高齢者排泄の実態調査と改善の検証、高齢者排泄のケアの知識および技術の普及・啓発を目的として、平成20年8月4日に発足いたしました。
理事長 事務局長 |
武井実根雄(原三信病院) |
副理事長 |
今丸満美(NPO法人日本コンチネンス協会/有限会社 エルム) |
理事 |
関成人(九州中央病院) |
理事 |
荒木靖三(くるめ病院) |
理事 |
加藤雅人(ひらまつ病院) |
理事 |
服部文忠(長尾病院) |
理事 |
畠山定宗(畠山内科胃腸科クリニック) |
理事 |
栁迫昌美(原三信病院) |
理事 |
田中耕太郎(御所ヶ谷ホームクリニック) |
理事 |
岡村秀樹(岡村内科クリニック) |
理事 |
高木良重(福岡大学医学部看護学科) |
理事 |
種子田美穂子(NPO法人日本コンチネンス協会/大牟田市役所福祉課) |
理事 |
高橋良輔(総合せき損センター) |
監事 |
山下博志(まえばる泌尿器科クリニック) |
顧問 |
内藤誠二(原三信病院) |
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平成22年4月22日〜